薬局間の在庫・使用量情報を共有し、後発品デットストックの軽減と後発品情報提供を目的としたシステムの構築2

田中 直哉

平成18年4月処方せん様式の変更後、後発品は普及している。薬剤師は、先発品と後発品の違いを説明し、後発品への変更に関して必要な情報を提供する義務がある。しかし、後発品を取り扱うための情報、システム、流通も不十分であり、さまざまな問題点が残されている(以下に示す)。

  1. 先発品・後発品の同等性に関する資料の不備
  2. 後発品備蓄によるデッドストックリスクの増加
  3. 後発品情報提供のための資料の不備
  4. 卸による供給体制の不備
  5. 患者の質問に対して即座に対応することができない
  6. 後発品の品質・信頼性に関する情報の不備

問題点を少しでも改善し、業務を軽減するための在庫管理、情報提供するためのシステム構築を目的とした。特に、他店舗の在庫状況を確認し、比較表を患者と会話をしながら即座に印刷できるということに重点を置いた。

VBAにてシステムの構築を行った。システム作成において、以下の点に注意した。

  1. 後発品が存在するすべての薬剤について比較表を作成
  2. 医薬品マスターの更新を自動化
  3. 後発品情報提供料の算定条件を満たすよう生物学的同等性を示す
  4. レセコンメーカーを選ばない汎用性
  5. 他店舗での薬剤の使用状況(過去6ヶ月間)・在庫状況の確認
  6. グループ内で同じ後発品を選ぶことでデットストックリスクを軽減
  7. デッドストックの引き取り店舗を自動で検索
  8. 最小包装単位を表示し過剰在庫を防ぐ
  9. 一般名処方に対応
  10. 併売メーカーの表示
  11. メーカー配布の比較表資料を表示

上記11項目をすべて可能とするシステムの構築ができた。患者と話をしながら後発品の即時選択が可能となった。他店舗での使用が多い薬剤を選択することで、後発品の流通が確認され、デットストックリスクが軽減し、使用実績の多い薬剤を使うことで、変更による副作用のリスクが少しでも低い薬剤の選択につながった。

今回開発したシステムは、情報が少なく模索段階である後発品の選択を容易にし、情報を活用するためのものであり、現時点で十分活用できるシステムと考えている。今後添加物や切り替えによる副作用発生情報のデータベースを作成することができれば、システムに追加することは容易であり、更に後発品の選択が容易になると考えられる。

今後は、このようなシステムを希望している薬局にシステムを提供し、後発品調剤をすすめたいと考えている。

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