調剤薬局におけるコミュニケーション実習の必要性について ~医療人に必要なコミュニケーション能力とは~

株式会社ピノキオ薬局1)、株式会社カロン薬局2)
丸山 恵1)、田中 直哉2)、雨谷 鮎子1)、早乙女 慶子1)、富川 恵里1)、道山 恭美子1)、近藤 澄子1)、田中 秀和1)
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背   景

薬物治療が進歩し疾病が複雑化する今日において、私たち薬剤師は医療の担い手として使命を果たしていくためにより高度な知識・技術が要求されている。

保険薬局において患者さんのニーズに応える服薬指導を行うためにコミュニケーション能力も必要な能力のうちの一つである。よりよい薬物治療を行うためには一方的に薬の知識を伝えるone-wayコミュニケーションではなく、患者さんから不安に思っていることや知りたがっていることを聞き出しそれに応えていくというtwo-wayコミュニケーションという形が理想であると考え、それに必要な能力を養うためにすでに医学部などで導入されているOSCEなどの手法を用いてSP患者を介したコミュニケーション実習を行ったので報告する。

対象者:入社1年目の薬剤師14名 期間:H15年4月~H16年2月

  1. 接遇マナー実習を行いあいさつや話し方、電話対応などを指導
  2. 全8回で各回のテーマ決めSP患者の背景を設定
  3. OSCEでの評価法をもとに評価マニュアルを作成
  4. 1人ずつSP患者に服薬指導をする形で実習を実施。事前に学習時間とディスカッションの時間を設け、実習後には模範服薬指導と指導のポイントについての解説を行った。
  5. 実習者・評価者にアンケート調査を行った。

実習後のアンケートより今回行った実習によりコミュニケーション能力が向上したと考える者が実習者・評価者ともに大半を占めた。実際の評価シートからも実習の回を重ねるごとに確実に点数が伸びており能力が向上していることが裏付けられた。

実習方法について、実習期間は入社1年目が適しているという意見が大半であった。だが、ディスカッションには司会をたてる、投薬台を用意する、SP患者と評価者は別にするなどの問題点と今後の改善点があげられた。

新卒者(入社1年目)では薬の説明にこだわりすぎて患者さんの悩みを解消していけるようなコミュニケーション能力が欠如していることが多く、コミュニケーション実習は必要であると考えられる。

しかし、患者さん主体のコミュニケーションであることを理解していない面もみうけられたので、コミュニケーションは患者さんに安心して服用してもらうためのツールであることをきちんと理解した上で実習を行うべきである。

今後は今回の実習で挙げられた問題点を改善し、どうしたらより患者さんの為になるコミュニケーションになるのか実習の運営方法を見直していく必要があると思われる。

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