服薬指導の重点化の鍵は、薬剤師の自主向学性

近藤 澄子マネージャー
  • 「薬剤師に刺激を送りこむことで、よりよい循環を」
  • 卒業したての頃が一番知識も豊富ですし、やる気もあり、頭に入っていきますよね。薬剤師の方々の反応はいかがですか。
  • 勉強会前と後では、明らかに変わりますね。
    以前はドクターに電話で聞かれても、おどおどと自信なさそうに対応していたのが、すごく自信を持って答えるようになりました。
    さらに、3年目の人が管理薬剤師になると、これまでは違うと思っていても先生の言いなりになっていたのが、間違いだとハッキリと主張できるようになり、ますます先生の信頼を得られるようになります。先生に信頼されてくると、その様子を見ていた上の年代の薬剤師たちが、我も我もと競うようにして勉強会に参加したがり、どんどん優秀な薬剤師が生まれます。
    すごくいい循環になっていますね。
  • そうした向学心ある薬剤師さんのために、様々な勉強会を設けられていると伺いました。
  • ピノキオ薬局調剤室年に2回、春と秋の日曜に、全社員を集めて「サンデー勉強会」開催しています。大学病院の医師、薬学部教授、専門家を講師に招いて、症例検討などを行うものです。
    ここで薬剤師が医師に質問をすると、医師は「そんなことまで知っているのか」と驚かれ、信頼関係がまた強くなりますし、褒められた薬剤師もまたやる気になる、という素晴らしい循環も見られますね。
    そして、彼らのやる気をもっと助長したいと思い、入社二年目以降の薬剤師を招いた「スキルアップ勉強会」、さらにもっと学びたいという薬剤師には「ハイレベル勉強会」を開き、希望者にはどんどん高度なことを学べる機会を作っています。
  • 勉強熱心な薬剤師さんが増えるにつれ、貴局での学会発表もどんどん盛んになられていくのですね。
  • ええ。今の三年目の子が、「一緒に学会発表をやりましょう」と積極的に話を進めてくれたとき、胸に迫り来るものがありました。
    わが薬局では、学んだら、次は下に教えていく、という引継ぎ教育も行っているので、彼は、今新人を熱心に育ててくれています。
  • やはり教わるだけでなく、いったん吸収したことを講師として教えていくことによって、どんどん知識を入れていかれるのですね。ただ、すべての先生がみな優秀とは限らないと思いますが、途中で躓いてしまう薬剤師さんにはどのようにフォローしていらっしゃるのですか。
  • すべての薬剤師に私の携帯の番号とメールアドレスを伝えていますので、勉強会後、または服薬指導中に疑問がわいたときは、例え夜でも、すぐ私に連絡が来ます。
    また、全店舗の新入社員のところを周り、一人ずつ話をします。こないだの勉強会でわからないことはあるか、テストで×だったところは、なぜこう答えたのかなど、手厚くフォローします。
    さらにそのとき、自分が見たこともない処方箋を貼っておいて、この処方が来たらどういう調剤をするか考えてもらい、なぜそう考えるのか、他の考え方もあればそれを教えます。ノートの冊数が多い薬剤師には、「この子はこんなにノートがある。ちゃんと復習しているのよ」と、他の多くの薬剤師の前で褒めてあげます。
    すると、褒められたほうは嬉しくてまたやる気になりますし、他の薬剤師は競争心を煽られて、さらにがんばってくれます。
  • 相乗効果ですね。でも何よりも、「褒めて伸ばす」という先生の優しく母性にあふれる教育方法が、薬剤師さんたちのやる気を上手く引き出しているのでしょう
  • 近藤 澄子マネージャーみんな、子どもみたいでとても可愛いなあと愛情を持ちつつも、ダメなものはダメともハッキリ言いますよ。
    嫌われても、あとでビッグになってもらいたいですから。
  • 「子育てこそ、自身の勉強意欲の発奮剤に」
  • 子育てをしていらっしゃる先生だからこその教育方法ですね。
  • 逆に、私の発奮剤は、子どもなんですよ。子どもがすごくがんばっているのを見ると私もがんばろうと思います。
    子どもに尊敬してもらえるようになりたい、この子を育てていくためにも自分も仕事をがんばりたい、と、育てながらいろんなやる気がみなぎってきます。
    子育てしながら仕事をすることに躊躇いをもたれる方も多いですが、ぜひ挑戦してほしいですね。
  • 先生の発奮剤が、実はご自身のお子様でいらっしゃったのですね。
    ちなみに先生ご自身は、普段どのようにして情報を得られているのですか。
  • 本とテレビですね。
    医師が読む専門誌を定期購読で自宅に取り寄せ、薬の添付文書に改訂があれば、その都度メモを残し、新しくその薬が入ったとき対応できるようにしています。最新情報は常に取り入れたいですよね。
    そして、NHKの『きょうの健康』も、新入社員時代から欠かさず見ています。一般向けのテレビですから、非常にわかりやすく説明されていて、すっと頭に入りますし、服薬指導のときもテレビで聞いた言葉のほうが使いやすいんですよね。難しい本の言葉よりも。
    「今年の冬のインフルエンザはこうだ」など、テレビならではの最新情報もありますので、ぜひ参考に見ていただきたいです。
  • 最後に、先生の夢をお聞かせ願えますか。
  • 近藤 澄子マネージャーできればもう一度勉強し直したいです。
    最初の病院で精神科の病棟にいたこともあり、そこで学べなかった精神的な部分の考え方も学びたいですし、ずっと理系畑におりましたので、理系以外の世界に足を踏み入れて、見識を広めたいです。
    例えば、先日子どもの授業参観のときに初めて華道を学んだのですが、とても新鮮でした。こういうことを知っているとこんなにキレイに花が生けられるんだ、と。勉強するって、本当に楽しいですよね。
    これまで培ってきた薬剤師の知識と、何でもいいのですが新しい知識とがうまく合わさって、何か新しいものを生み出していければ、素晴らしいですね。
  • 近藤先生、本日はありがとうございました。

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